英語と生徒の距離を縮めるための授業デザイン・評価について

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中学生英語力、さいたま市と福井県が突出のワケ

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宮城の高3、英語力なぜ全国最低? 見えてきた意外な答え

宮城県の高校3年生の英語力は全国最低――。記者(37)が勤務する仙台市の地元メディアで5月上旬、こんなニュースが報じられた。学習塾が多い大都市の仙台があるのに、なぜ宮城が全国最低なのか。疑問に思い取材をすると、調査の根本を揺るがしかねない意外な答えが見えてきた。

宮城の高3、英語力なぜ全国最低? 見えてきた意外な答え

講義:英語と生徒の距離を縮めるための授業デザイン・評価について

1. 学習指導要領の再整理

(1) 3観点の概略

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厳密に言うと…

(2) 3観点の課題

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〔技能〕と〔思考・判断・表現〕の違い
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2. 〔知識・技能〕の習得を楽しく

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(1) 〔知識〕はuseにフォーカス!

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現在進行形を教える際に提示する「例文」を1つ考えよう

文法知識の三側面

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現在進行形のuse

(2) 〔技能〕はmeaningにフォーカス!

  • 反復の先に「意味」が生まれる言語「練習」
  • ①マイ・トーナメント

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②クラス全員に聞きました

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3. 〔思考・判断・表現〕の習得を深く

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(1) 〔思考・判断・表現〕とは何か

  • 国研の資料から〔思考・判断・表現〕の中身を読み解く
    • しかし「モヤモヤ」が残る…
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事例1(p.56)

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  • なぜ「詳しく」伝える必要があるのか?

事例2(p.66)

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  • 複数ある「適切さ」の観点はどれも等価値なのか?

(2) 〔思考・判断・表現〕とは「適切さ」である

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(3) 〔思考・判断・表現〕に没入感を生み出す工夫のヒント

①TBLT(Task-based Language Teaching)の「タスク」の概念

💡
タスクの条件(Ellis and Shintani, 2014)
  1. 意味のやり取り モデルの模倣や指定された言語形式の操作・活用ではなく、目的に応じたメッセージ内容(意味)の伝達や理解が要求される。
  2. ギャップ 課題達成のために埋めなければならない何らかの「ギャップ」(情報の欠落や差異、意見の相違、解決すべき問題状況など)が存在する。
  3. 現有リソースの自由な活用 用いたり注意を向けたりする形式を事前に指定されることなく、学習者はその時点で自らの持つ言語的・非言語的なリソース(resources)を自由に用いて活動に取り組む。
  4. 成果 言語形式の理解や表出が正しくできることを示す(display)のではない、課題の内容に関連した成果が設定されており、学習者はその達成を目指して活動する。
  • ただし面白いタスクかどうかは別の話

②「適切さ」の規準は後出ししてはいけない

  • 「目的」の設定を明確に
    • なぜ「詳しく」説明する必要があるのか?
  • 生徒が頑張る方向性を確認しておく
    • 求められているのは感動的な話?笑える話?
  • よくある活動「旅行パンフレットを作ろう」
  • 「ALTに旅行プランをプレゼンして契約を勝ち取ろう!」

    • ALTの好みをリサーチするためにインタビューも必要になる

③「相手」に選んでもらうと燃える

  • 読み手、聞き手が主観的に判断するフェーズを用意する
  • 英語の質ではなく、中身で選ばれることが重要
  • よくある活動「日記を書こう」
  • 「ツイてなかった日の日記を書こう」

    • 書き終わったら、回し読み
    • 読み手は「それはかわいそう」「ふーん」「だから?」で判定
    • クラスで一番かわいそうな人を選ぶ

④活動の難易度を調整する

  • 学習指導要領の「目標」は急勾配
    • 目の前の生徒に合わせて調整をしよう
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(4) 教科書の「言語活動」を再検討する

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演習:授業をデザインしよう~目指す生徒像を描いて~

課題1

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教科書の中の〔知識・技能〕〔思考・判断・表現〕の活動を選び、今日の講義内容を活かしてより「楽しく」「深い」活動にブラッシュアップする

課題2

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生徒の様子を思い浮かべながら、「れっすん・ぷらん」を作成する

参考

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OKUZUMI Kei

OKUZUMI Kei is currently an associate professor in the Faculty of Education at Saitama University, Japan. He was an English teacher at a public junior high school in Japan. He has shared numerous teaching ideas and resources with other teachers through his blog over the last two decades, and he is a regular contributor to The English Teachers’ Magazine.

(現在、旧バージョンの「れっすん・れしぴ」と混在しています。順次アップデートしていきますのでご了承ください。)

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